2017年6月22日木曜日

風まかせ

風に匂いがあると気づいたのはいつの頃からだろう?
潮の香り、山を吹き抜けてゆく黒土の匂い、春のせせらぎを渡る風、雨上がりのアスファルトを乾かしてゆく風の匂い。
僕にとって五感の中で最も大事な、そして優秀で、欠かせない感覚はそれだ。
 いじめられて帰ってゆく帰り道に吹いていた夕焼けの香り、親父が死んだ時に吹いていた鮮やかな秋の香り。
旧友の笑顔も、場所も、時間もうまく思い出せなくてもその時の風の香りは忘れられない。
なぜって、人生において同じ風は何度も吹くから。
 吹いて過ぎ去ってまた思い出させるから。
だから年を取ると大した悲しみなんて、風のようにすり抜けてゆくもんなんだよ。
 悲しい人生はあるだろうが、まんざら悪い人生でなければいいのさ。
風まかせってそういう事だろ?とかねw

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